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六発殴ってかまわないから。

ここ数年、てぶくろが欲しいと言い続けている。革製で黒くてぴたっとくる感じのかっこよろしいやつが欲しいのだけれど、別にコレ!というのがあるわけではなく、そんなイメージのてぶくろが欲しいと言うことをもう五年越しくらいで言い続けている。今のところどこを探してもイメージにはまるものは、ない。

そうは言っても、見つからないのは本気で探していないからという至極もっともな理由もある。と言うのは、私はてぶくろを買いたいのではなく、プレゼントされたいから。なぜプレゼントされたいのかと言うとそれはもうなんとなくとしか言えないけれど、とにかく私は何がなんでもてぶくろをプレゼントされたい。それも冬に(誕生日は六月なので、そんな時期にプレゼントされても喜べない)。なので寒くなってくると私はそれとなく周りの人にてぶくろが欲しい旨を拡散する。

冬にプレゼントと言えばクリスマス。クリスマスは毎年やってくるが、私にてぶくろをプレゼントしようという人はやってこない。というか、そもそもクリスマスプレゼント自体誰もくれない。もう少しみんな私に貢いでくれてもいいのではなかろうか。だめですか。だめでしょうね。そんなことよりてぶくろである。もう少しするとまた冬も終わってしまう。となれば、てぶくろが要らない季節がまた巡ってくるわけで、そうなれば私のてぶくろ欲しい熱も衰退してしまう。そうなる前に素敵な人に可愛らしい包みで以って、てぶくろを贈ってもらわなければならないのである。いねぇよそんなやつ。

プレゼント。贈り物。なんと甘美な響きであろうか。大人になるにつれ、もうすっかりもらう機会より贈る機会のほうが多くなってしまった。これが大人になるってことかしらん。物質的な幸せが欲しい訳ではないけれど、これはこれでわかりやすい形なのだから示してくれたらいいのに。いや待て。総合するに、お金や労力をかけてまで私に愛を示したいという人間がいないというだけなのでは。ああ、なんだか無駄に悲しくなってしまった。兎にも角にも、この冬もまた、私はてぶくろを持たないまま越すのであろう。