アンハッピーバースデイ・輪廻

六月十四日は誕生日です。

と言っても誕生日にはあまりいい思い出がなかったりする。いつしか期待することもやめてしまった。唯一最高だったのは一昨年の誕生日。当時通っていたワインバルで、当時付き合っていた恋人とちょっとしたコースの料理を食べてプレゼントには大好きなバカラのワイングラスをもらった。何より、私に内緒で準備してお祝いしてくれたのが、とても嬉しかった。あの頃は与えてばかりいた気でいたけれど、そういう時があったことは忘れてはいけないよなぁと思う(比率としては0.5:9.5みたいな感じだったけれど)。その数日遅れで友人からもプレゼントをもらったのもよかった。

あとの思い出はろくなものがない。実家にいた頃は一日違いの弟と抱き合わせだったし、一昨年以外はちょうどその頃を外して恋人いなかったし。なによ。ひどいわ、もう。
ちなみに去年の誕生日は、血みどろ恋愛譚をこれでもかというほど繰り広げた相手の家を出た一週間後で、実家に帰って一人でワインを赤白赤の三本、缶酒を四本だか五本、ウイスキーを三杯空けたため、朝気が付くと弟の布団で寝ゲロしてた(我が親愛なる弟よ、許せ)。ある意味サイコーである。サイコーにサイテーだ。それ以来実家に帰って酒を飲むと妹が不安げな貌をするようになった。頼む!その目をやめてくれ!

しかし毎度々々私が誕生日の度に不幸に見舞われることに対して、心当たりがないわけでもない。思うに、これは報いである。
私はタイミングの悪い子供であった。家の中でイベントごと、それは誰かの誕生日だったり酉の市の日だったりが近づくたびにひどく怒られるようなことをしでかしていた。今となっては全部が私のせいではなかったし、わりと当たられていた部分も多かったことがわかったのだけれど、兎にも角にも私の存在から起因することもまた事実ではあった。当然家の中の空気は悪い。その頃の報いが今飛んできているのではないかと私は思う。なんたることだ。

そんなこんなで、毎年誕生日というものが苦手だ。祝われるとどんな顔をしていいかわからなくなる。笑えばいいと思うよって言ってよシンジ君。