バレンタイン戦争 -How do you choose a chocolate?-

日照うららと映え、風もだんだんと暖かくなって、春の気配も見えてきた今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょう。街にピンク色が溢れ、空気もなんとなく浮かれ模様。今年もこの時期がやってきました。そう、バレンタインデー。元は某お菓子メーカーの商法戦略だったものが、今や国をあげて(?)の一大イベントにまで昇華しました。こういうイベントはどんどんやった方がいいと思います。こんな機会でもなきゃ言い出せない想いもあったりするのだから。え、私?会社でもらう義理チョコのお返しで毎年四苦八苦ですよ。誰だよ義理チョコ考えたヤツ。沸騰したチョコレートの海で溺れろ。
そんなバレンタインデーですが、余すところもう一週間足らず。皆さん、チョコ選びはどうされていますか?学生さんだとご自身で作って友達と交換会、なんて方も多いとか。微笑ましいですね。しかしながら、社会人ともなると自分で作る時間がなかったり、そもそも作ったものだと重い、怖い、気持ち悪いなんてネガティブなイメージを持たれるんじゃないかと不安になったりする方もいるのではないでしょうか(実際手作りチョコにまつわるトラブルは後を絶ちません。義理で贈ったのに本命と勘違いして付き纏われたり、何が入ってるかわかったものではないと食べずに捨てられたり。社会人にもなって板チョコ溶かして生チョコにして持って行った日には何を言われるかわかったものではありません。大人数に配る場合はむしろ手作りの方が安く楽に出来たりするので悪い面ばかりではないですし、本来悪い面もないはずなのですが)。
そこで今回は大人の女性たちがスマートなチョコ選びが出来るよう、まとめてみました。ご参考になれば幸いです。
※尚、独断と偏見が多分に含まれる故、一個人の意見として受けて頂くようお願いします。

 

コンビニチョコレート
最近では、コンビニの店頭にも箱入りチョコレートが並ぶようになりました。安価で包装もわざとらしくならない範囲での義理感があり、急なアポイントでも対応できるとあって、非常に便利です。
問題はショッパー。ほとんどのコンビニではショッパーではなく、コンビニのビニール袋。渡す際の包装も重要視されるバレンタインチョコとしてはかなり見劣りします。100均等でロゴの入っていない紙袋を購入して渡すのが良いでしょう。サバサバ系女子がコンビニの袋から「これ、義理だけど一応ね」なんて言いながら渡すのは逆にありかも知れません。

Mary's chocolate/メリーチョコレート
安価で小売店も多く、可愛らしい印象の強いメリーズ。同時に、やや子供っぽい印章も見受けられます。味は安手のミルクチョコレートと大きな差はありませんが、可愛らしい包装が為されているため、職場での義理チョコにも違和感はないでしょう。また、メリーズの人気商品アップルグラッセには根強いファンがついています。味わいもコンビニチョコレートとは一味違ったものになるため、おすすめです。
ただし、これが通用するのは24歳までと思って下さい。二十台後半となると、より上品なものや、高級感のあるものを選ぶ感性が求められます。選んだチョコレートのブランドイメージは自分自身のブランドイメージと重なるのです。これは戦争だと心してください。

GODIVA/ゴディバ
価格帯が広く小売店も多い、もっとも有名と言っても過言ではないゴディバ。抜群の汎用性を誇り、同僚と上司で差をつけるのも容易です。ブランドのイメージが強すぎるため、自分のイメージを気にすることなく贈ることが出来るのも強みです。また、馬鹿な男どもを「マジで!?GODIVA!?」なんてだまくらかすのも簡単。攻めにも守りにも使えるため、脳死状態で選んでもとくに問題ナシという怖ろしいブランド。会社のバレンタインで選んでおけば差し当たって大きな問題は起きないでしょう。
ただし、間違っても本命のカレには贈ってはいけません。その広すぎる知名度とちょっと大きな駅ならどこでも入っている普遍性から大衆的なイメージも強く、十中八九義理として受け取られます。

WITTAMER/ヴィタメール
絶妙に後を引く甘さで、とても上品な印象を与えるヴィタメール。価格帯としてはゴディバとそれほど大差はありません。その味は甘みと苦みのバランスが良く、とても上品な印象を与えます。また焼き菓子との詰め合わせセットもあるので、チョコが苦手な方にも安心。チョコケーキも有名で、恋人同士で贈るにも適します。
ただし、告白を目的とした本命チョコとしてはまだパンチが弱い。上品で可愛らしい大人キュートな印象を持つものの、今一つ低い知名度と、チョコレートの味から本気度が低く感じる一面もあります。

ZOOLOGY/ズーロギー
毎年私の叔母から贈られてきていたのがこれ、超リアルな動物を象ったチョコレート、松風屋のズーロギー。後ほどちょっと画像検索していただきたいのですが、これね、めっちゃ楽しい。本命チョコや会社での義理チョコにはあまり適さない反面、親しい友人に贈る義理チョコとしては大いに受けること必至。また夫婦間、恋人間で贈る場合でも、いつもと違うユーモアに富んだバレンタインになること間違いナシ。

Pierre Marcolini/ピエール・マルコリーニ
ベルギーチョコレートの奇才と呼ばれるピエールマルコリーニ。ここに至るとなかなか義理チョコでぽんぽん何箱も買ってられない価格帯になってきます。その味わいは甘さ控えめのビターテイスト、包装もガチャガチャしてない固くて落ち着いた雰囲気で、大人の女性を演出するのにぴったり。知ってる人は知っている高級チョコレートブランドのため、相手に「相応のお返しをせねば……」というプレッシャーを与えるパースエイダーになりかねない点には注意。
余談ですが、可愛い年下童貞クンを転がすのにも絶大な効果を発揮します。

La Maison du Chocolat/ラ・メゾン・ド・ショコラ
派手すぎず、かといって退屈さを感じさせない包装とその辺に転がっている三文チョコレートとは一線を画す重厚な味わいで程よい高級感と上品さを醸すラ・メゾンのチョコレート。恋する社会人女性のリーサルウェポン、約束された勝利の剣、迷える雌羊たちのためのメサイア。本気の彼ならば選んで間違いなし。また、お世話になった上司など自分より目上の人への日頃のお礼としても文句なし。大人の恋を後押しする一品揃い。
ただし、チョコを食べても「甘くて美味しい!」しか言えないボキャ貧ボーイかそうでないかの見極めが出来ていないと、せっかく気合いを入れて贈ったチョコレートも贈り損を感じて一気に自分が冷めるという地雷も抱えることに。

JEAN-PAUL HÉVIN/ジャン=ポール・エヴァン
忘れてはならない至高のチョコレート職人、ジャン=ポール・エヴァンピエール・エルメピエール・マルコリーニも持つフランスの国家資格、"ショコラティエ"の頂点とも言われます。言われるのですが、実はこれ、受け取る人によってはちょっと重く感じるようです。純粋に値段が高いというのもそうですし、本気度がもうすっごい。告白するならお互い想い合っている確信を持って渡すのがベストではないかと思います。胃袋に一撃カマしてやりましょう。


以上、主だったブランドを少しだけご紹介しました。最初に述べました通り、私の個人的な偏見が多く含まれますが、何卒ご了承ください。
いろいろと書いては来ましたが、一番大事なのは贈る気持ちです。自分の直感を信じ、自分のイメージや贈る相手に相応しいものは何か、よく見極めることも重要です。
みなさん、素敵なバレンタインデーをお過ごしください。それでは。